都市遊牧民のホテルライフ

2005年03月22日

ドア裏の、美学。

ドアの裏側。
普通、ホテルの通路側のドアには、
ルームナンバーが表示されている。
ゆえに、それをドアの表側と言えば、
部屋側は、ドアの裏、ということになる。

しかし、ひとたび部屋に入れば、
この裏側が客室空間の一部になるのだが、
ここに創意工夫があるのを未だ見たことがない。

「創意工夫」と言えば、小学生の頃の
習字のテーマだけであっていいはずはない。
よくよく考えてみると、かのポールスミスも
見えない裏地に創意工夫しているではないか。

部屋に入って、ライティングデスクに座って、
どうしても視界に入ってくるのは、この扉の裏側、
部屋のエントランスであることが結構多い。

比較的新しいホテルは一応化粧がしてあり、
邪魔にならないというか、
雰囲気をぶち壊さないというか、
消極的な設えが施してあることが多いが、
古くなったホテルをリノベーションした場合は、
ドアの裏まで手がまわってない場合がある。

ベッドの寝心地よさと、隠れ家的ロケーションが
一部で評判の白金のあの老舗ホテルの、
改装された客室でさえ、決して例外ではない。

部屋に入って、机を目の前にして座る。
さあ、もう電話もかかってこないぞ、
さあ、ビールの栓も開けちゃったぞ、
さあ、気の利いたことでも考えるぞ、
と意気込んで座った私の目に飛び込んでくるのは、
流行おくれのうらぶれたオフィスのような、
ペンキを塗っただけの貧相なドア裏だ。

これで、すべてがダメダメ!台無しだ。
まぁ、リノベーションの成功例として
一時は、チヤホヤもてはやされたものの、
1Fラウンジのもの悲しげな竹の枯れ具合と
フロントの女性スタッフの疲れ顔を見たら
村野藤吾さんも泣いているのではないだろうか。

最近、私がこのホテルに泊まったりする時には、
改装前の昔のままの部屋の方が落ち着いたりする。
安いし、広いし、ドアの裏もなじんでいるし。
それと、ベッドの寝心地は同じだし、ね。

悪口言ってばかりでは仕方がないので、
ココで、ちょっと頭の体操などしてみよう。
「創意工夫」するにはまだ修練が必要なので、
軽〜く、手短にできることから、ね。
今すぐにでも、できることを考えちゃおー。

まず、扉の内側にも表と同じような
ルームナンバーをかっこよくつけましょう。

なぜかと言うと、今では主流のカードキー、
これには部屋番号が記載されていない場合が多い。
まあ、落とした時のセキュリティの問題とか、
いろいろと考えられてはいるんだろうけど、
ホテルスタッフがコンピュータで確認しなければ、
ルームナンバーが分からないというのは、どうよ!

自分の部屋番号を確認できるものは、と言えば、
チェックイン時に、カードキーと共に渡される
二つ折りの紙製のカードケースだけ。
部屋の入口付近にある避難経路図にも、
部屋番号は、ほとんど記載されていない。

これが、とっても困っちゃうのである。
家にいる妻や娘に部屋番号を伝える場合や、
なにがしかの用で急に自分の居場所を
ホテルの外にいる第三者に伝えようと思っても、
すぐに、分からない時があるのだ。

あのありがたくない貧相な紙製ケースなんて
とっくにどっかにポイッ、しちゃっているのだ。

だいたい、自分の泊まっている部屋番号ぐらい、
すぐに女房に答えられなかったら、
あらぬ疑いをもたれるではないか!(怒)

また、そのような時に限って、
なぜか、パンツ一丁であったりして、
覗き窓で外に誰もいないのを確認して、
電話片手に部屋の扉を半開けにし、
片足外に出て表の表示番号を確かめる
なぁんて事態に落ち入りがちなのは、なぜ?

まあ、それはさておき、
いずれにしても、ドアの内側は未開の地だ。
さあ、ホテルのフロンティア目指して、開拓だぁ!

いい部屋だな〜と思って、ライティングデスクに腰を落ち着けると見える風景が